お知らせ

産後のママへ贈る、やさしい一汁三菜。春の回復ごはん

Ki-chan

「ちゃんと食べてる?自分のこと、後回しにしてない?」


助産師として20年、数えきれないほどのお母さんたちと向き合ってきた私が、産後のママに会うたびに、いちばん最初に聞きたくなる言葉です。


赤ちゃんのこと、授乳のこと、眠れない夜のこと。
頭の中はぜんぶ、赤ちゃんでいっぱいですよね。


それでいい。それが、お母さんというものだから。でもあなたのからだも、ちゃんと助けを求めているんですよ。

出産って、それはもう大仕事なんです。失った血、使いきった体力、これから毎日続く授乳。からだの中では、信じられないくらいの回復作業が、今この瞬間も続いています。産後のからだに寄り添う、春の回復ごはんをご紹介させてください。


特別な食材は、何ひとつ要りません。
やさしい一汁三菜です。

この献立に込めた想い
産後のからだに必要なことを考えると、自然とこの4つが見えてきます。

:出産で失った血と体力を取り戻すこと
:赤ちゃんに届く母乳の質を支えること
:疲れた胃腸に、無理をさせないこと
:春のからだを整える東洋医学の知恵を借りること

難しい話じゃないんです。
お母さんたちを20年見てきて、「これを食べたらからだが喜ぶ」と実感してきたものを、並べました。

鯛の煮付け ――からだの修復を、内側からそっと


「魚は消化にいいよ」って、昔のお母さんたちが言い伝えてきたこと、ちゃんと理由があるんです。
白身魚は高たんぱく・低脂肪。出産で傷ついたからだの組織を修復しながら、疲れた胃腸にも負担をかけない。母乳の質にも良いとされていて、産後にこれほど頼れる食材はそうありません。煮付けの甘辛いにおいが台所に広がるだけで、
なんだかほっとしませんか。そのほっとする感覚も、回復のひとつだと私は思っています。

菜の花と椎茸のおひたし ――春の苦味が、眠っていた血を動かす


菜の花のちょっとした苦味、食べたことありますか?
あれ、実はからだが「春になったよ」と気づくサインなんです。
東洋医学では春は「肝」の季節。冬にため込んだものを外へ出す、解放の時期。
菜の花の苦味成分はその働きを助けて、血の巡りをよくしてくれます。
鉄分・葉酸も豊富だから、産後の貧血が気になるお母さんには特に食べてほしい一皿。
椎茸のビタミンDは、免疫力をそっと底上げしてくれます。

春菊と人参の白和え ――女性のからだを、芯から整える


豆腐の白和えって、地味に見えて、実はすごく優秀なんです。
春菊の鉄分・カルシウムが血を補い、
人参のβカロテンが粘膜や皮膚の回復を助けてくれる。
そして豆腐のイソフラボンが、産後に揺らぎがちなホルモンバランスをそっと整えてくれます。「食べながらからだが戻っていく」
そんなイメージで、ゆっくり味わってほしい一皿です。

新じゃがとキャベツのお味噌汁 ――一杯のお椀が、今日を支える


産後のお母さんに「何か一つだけ食べて」と言うなら、私は迷わず味噌汁を選びます。
新じゃがのエネルギーが疲れたからだを動かし、
キャベツのビタミンUが胃腸の粘膜をやさしく守り、
味噌の発酵パワーが腸内環境を整えてくれる。
温かいものを、ゆっくり飲む。
それだけで、からだも気持ちも、少しだけ楽になりませんか。

最後に一言


20年間、産後のお母さんたちのそばにいて、いつも思うことがあります。
みんな、赤ちゃんのためには一生懸命なのに、
自分のことになると、途端に「これくらい大丈夫」って言うんです。
大丈夫じゃないんですよ。からだはちゃんと、助けを待っています。
食べることは、自分を大切にすること。
あなたが元気でいることが、赤ちゃんへの何よりの贈り物です。
今日の一食を、少しだけ自分のからだのために。
そのちいさな選択が、産後の回復を確かに支えてくれます。

石井助産院 石井先生プロフィール
石井希代子
石井希代子
院長 助産師
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