1人目は無痛分娩 2人目で助産院を選ばれる方が、まず知りたいこと
1人目を無痛分娩で産んだ方が、2人目のお産で助産院を考えることは、決して珍しいことではありません。奈良市奈保町の石井助産院にも、「お産は痛くて辛いものだと思っていたけれど、本当にそうなのかな」と、ご相談に来られる方がいらっしゃいます。
この記事では、そんな方からいただくご相談をもとに、助産院のお産で私たちが大切にしていることをお伝えします。

先にお伝えしておくと、助産院のお産は「痛みをなくすお産」ではありません。痛みとどう向き合い、誰とその時間を過ごすのかを、妊娠中から一緒に考えていくお産です。
「お産は痛くて辛いもの」と思っていた方からのご相談
「周りから『お産は痛い、辛い』とずっと聞いていたので、1人目は迷わず無痛分娩を選びました」
ご相談の中で、こうしたお話を伺うことがあります。無痛分娩は、その方がそのとき真剣に考えて選んだ、大切な選択です。私たちが否定することは何もありません。
それでも2人目を授かったとき、「次はどうしよう」と立ち止まる方がいらっしゃいます。その理由は人それぞれです。
ママ友から「助産院でのお産が、幸せな体験だった」と聞いて、その言葉がずっと心に残っていた方。1人目のお産を振り返ったとき、言葉にならない気持ちが残っていることに気づいた方。上の子の育児をしながら、「次のお産は、もう少し自分のからだのことを知りたい」と感じている方。
きっかけは、ほんの小さな一言かもしれません。でも、「助産院って、どんなところなんだろう?」という気持ちが湧いてきたら、それはあなたのからだとココロからの、大事なサインかもしれません。
1人目のお産に残っている気持ちも、聴かせてください

1人目のお産を振り返って、「どこか孤独だった」とお話しされる方がいます。
ここ数年は、感染症対策のために立ち会いが制限された時期もありました。ご主人が立ち会えたのは最後の10分だけだった、というお話も伺います。
赤ちゃんは無事に生まれてくれた。それなのに、心のどこかにさみしさが残っている。そんな気持ちをうまく言葉にできないまま、2人目のお産を迎える方は少なくありません。
石井助産院では、最初のご相談で、前回のお産のことを時間をかけて聴かせていただきます。
良かったこと、つらかったこと、本当はこうしたかったこと。どれも、次のお産を考えるための大切な手がかりになります。
「こんなことを話してもいいのかな」と思うようなことでも構いません。どんな小さなことでも、あなたの言葉で、ゆっくりお話しください。
助産院のお産は「痛みをなくす」お産ではありません
ここは、正直にお伝えしておきたいところです。
助産院では、麻酔を使った無痛分娩はできません。陣痛の痛みは、助産院でも同じようにやってきます。1人目が無痛分娩だった方にとっては、初めて経験する陣痛になります。
では、助産院では何が違うのでしょうか。私たちが何より大切にしているのは、痛みの中で「おかあさんをひとりにしない」ことです。
- 妊娠中から顔を合わせてきた、いつもの助産師がそばにいます
- 決まった姿勢ではなく、そのとき楽な姿勢を自分で選べるフリースタイルのお産です
- ご主人やお子さんが、すぐそばで寄り添うことができます
- 慣れた場所、いつもの雰囲気の中で、お産が進んでいきます
腰をさすってくれる手。「頑張って」と声をかけてくれる家族。「大丈夫、ちゃんと進んでるよ」と伝える助産師。
痛みはなくならなくても、その時間を誰と、どんな雰囲気の中で過ごすのかは、選ぶことができます。
痛みに不安がある方ほど、その不安をそのまま話してください。「怖い」という気持ちを否定せず、どうすれば少しでも安心して過ごせるかを、妊娠中から一緒に考えていきます。呼吸の仕方、楽な姿勢、ご家族の支え方。お産の日までに、一つずつ準備していきましょう。
臨月の過ごし方|「自分にもできることがある」という心強さ

臨月に入ると、「いつ始まるんだろう」「早く会いたい」と、気持ちが揺れる方も多くいらっしゃいます。ご主人のお仕事の予定などがあって、「この日までに産みたい」と焦りを感じる方もいます。
そんなとき、私は「おうちで、からだと向き合う時間をつくってみましょう」とお伝えしています。たとえば、こんなことです。
- しっかり歩く(無理のない範囲で、お散歩の時間をいつもより長めにとる)
- 草むしりや拭き掃除など、しゃがむ・四つ這いになる姿勢を日常に取り入れる
- 会陰マッサージで、お産のときに伸びていく場所にやさしく触れておく
- おっぱいのお手入れをして、赤ちゃんを迎える準備をする
- 三陰交にお灸をして、からだを温めながら、お産に向けて心とからだを整える
並べてみると、やることはたくさんありますね。
どれも、お産の日を決めるためのものではありません。赤ちゃんがいつ生まれてくるかは、赤ちゃんとおかあさんのからだが決めることです。
それでも、毎日少しずつ手を動かしていると、「私にもできることがある」と思えるようになります。「これだけやっているから、きっと大丈夫」。そう思えることが、待つ時間を不安な時間から、前向きな時間に変えてくれます。
※実際に行うときは、健診で今のからだの状態を確認してからにしましょう。お腹の張りや出血など、気になることがあれば、すぐにご連絡ください。
2人目のお産で助産院を考え始めたら、一緒に確認していること

2人目のお産は、1人目のときとは状況が大きく違います。おかあさんのからだのことだけでなく、上の子のこと、ご家族の暮らしのことも、お産の場所を選ぶ大切な条件になります。
石井助産院では、最初のご相談のときに、こんなことを一緒に確認しています。
- 今回の妊娠の経過と、前回のお産の様子(助産院でお受けできる正常なお産かどうか)
- 上の子の過ごし方(健診に一緒に来られるのか、お産の日はそばにいるのか、預け先はあるのか)
- ご家族のサポート(ご主人のお仕事の予定、近くに頼れる方がいるのか)
- 産後の過ごし方(入院中のこと、おうちに帰ってから相談できる先)
ご実家が遠く、近くに親族がいない方もいらっしゃいます。ご主人のお仕事が忙しく、ほとんどワンオペで上の子を育てながら妊娠期間を過ごす方もいます。
「上の子を連れて健診に行ってもいいのかな」「お産のとき、上の子はどうしよう」。そんな暮らしの中の小さな心配も、遠慮なくお聞かせください。一人で抱え込まずに済むよう、その方の暮らしに合わせた過ごし方を一緒に考えていきます。
助産院でのお産は、お産の日だけで決まるものではありません。妊娠中の何か月かを、どんなふうに一緒に過ごしていくか。その積み重ねが、お産の日の安心につながると、私たちは考えています。
痛みの先に、何が残るのか
お産を終えた方とお話ししていると、「あんなに痛かったのに」という言葉を耳にすることがあります。
痛かったことは、本当です。でも、お産の時間には、それだけでは終わらないものが詰まっています。家族が支えてくれたこと。自分のからだが、赤ちゃんを産む力を持っていたこと。赤ちゃん自身も、生まれようと一生懸命だったこと。
お産のあと、「あのとき、息子が背中をさすってくれて」「夫がずっと手を握ってくれていて」と、そばにいた人のことを話してくださる方がいます。痛みの話をしていたはずなのに、いつのまにか支えてくれた家族の話になっている。そんな瞬間に立ち会えることが、助産師としての何よりの喜びです。
私たちは、お産が「痛みの記憶」だけで終わらないよう、その時間に寄り添い続けていきます。
そして助産院は、赤ちゃんを産むだけの場所ではありません。妊娠中の健診から、お産、そして産後の母乳育児、寝かしつけ、抱っこ紐の使い方のような毎日の暮らしのことまで、同じ助産師がずっと一緒に歩んでいきます。
上の子の育児をしながらの2人目のお産だからこそ、「困ったときに顔の浮かぶ人がいる」ことが、おかあさんの心強さにつながると考えています。
よくいただくご質問

Q. 1人目が無痛分娩でも、2人目を助産院で産めますか?
A. 妊娠の経過が順調で、正常なお産が見込まれる方であれば、ご相談いただけます。助産院で扱えるのは正常分娩のみのため、妊娠36週ごろには連携している産婦人科でも健診を受けていただき、からだの状態を一緒に確認しながら進めていきます。前回のお産が帝王切開だった方など、助産院ではお受けできない場合もありますので、まずはお気軽にご相談ください。
Q. 陣痛に耐えられるか不安です。
A. 不安に感じるのは、とても自然なことです。初めての陣痛に向き合う方も、たくさん来られています。妊娠中から呼吸や姿勢、ご家族の支え方などを一緒に練習していきますので、その不安も含めて、お話を聴かせてください。
Q. 上の子を連れて、見学や相談に行ってもいいですか?
A. もちろんです。お子さんと一緒に来ていただけます。上の子にとっても、生まれてくる赤ちゃんを迎える場所を、お産の前から知っておけることは大切な時間になります。見学のときは、お子さんの様子を見ながら、ゆっくりお話ししましょう。
Q. 1人目のお産の記録がなくても、相談できますか?
A. 大丈夫です。母子手帳があればお持ちください。お手元にない場合でも、覚えている範囲でお話しいただければ構いません。どんな小さなことでも、あなたの言葉で聴かせていただくことが、次のお産を一緒に考える出発点になります。
Q. いつ頃までに相談すればいいですか?
A. 時期にかかわらず、気になった時点でご連絡ください。早めにお会いできるほど、妊娠中の時間を一緒に過ごし、信頼関係を築いていくことができます。
まずは、お話を聴かせてください
1人目を無痛分娩で産んだことも、2人目で迷っていることも、どちらもあなたの大切な選択です。
「助産院で産む」と決めてから来ていただく必要はありません。「どんなところか見てみたい」「ちょっと話を聞いてみたい」。その気持ちだけで十分です。
石井助産院は、奈良市奈保町にある完全予約制の助産院です。見学やご相談は、公式LINEからお気軽にどうぞ。あなたのお話を、ゆっくり聴かせていただきます。
石井助産院は、おかあさんとあかちゃんの絶対的な味方です。
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